(三重県尾鷲市において実践している津波防災に関する研究活動を紹介します)
自主防災会のユニークな活動の紹介
ここでは、尾鷲市内の自主防災会で取り入れている津波避難を促進するためのユニークな活動について紹介します。
災害時要援護者への避難支援のためのリアカーの配備
尾鷲市では、平成19年度までに市内の自主防災会全76組織のうち、60組織に対して、災害時要援護者の避難支援の道具として、折りたたみ式リアカーを配備しています。また、その他16組織については、高台のため、背負帯を配備しています。
率先避難者用グッズの配備
尾鷲市では、市内の全自主防災会に対して、津波襲来危険時に住民の迅速な避難を促すために、「率先避難者」の役割を担う方を決めておいてもらうことを推奨しています。そして、それを後押しするために、背中に「率先避難者」と書かれたベスト(工事現場などで使用されているもので光ります)とハンドマイク(防水防塵機能付き)を数セットずつ各自主防災組織に配備しています。
夜間避難訓練の実施
尾鷲市内のいくつかの自主防災会では、地域が中心となって自主的に避難訓練を実施しています。市全体で実施する訓練と異なり、実施主体の規模が小さいため、様々な要素を取り込んだ訓練を実施しています。例えば、夜間に地震が発生したことを想定して訓練を実施している自主防災会もあります。訓練は、緊急地震速報やJ-ALERTの警報音を放送し、それに基づいて避難を開始します。また、率先避難者の担当者は、ハンドマイクを使って、本番同様、地域住民に避難を促します。そして、災害時要援護者への避難支援については、リアカーを使って、避難所まで送り届ける訓練も合わせて実施しています。