釜石市での津波防災教育の目的は、今日明日にでも発生するかもしれない三陸沖地震津波に備えて、児童・生徒に『自分の命は自分で守ることのできるチカラ』をつけることです。
しかし、現状の釜石の津波防災教育を取り巻く環境は、
内陸出身の教員が多いため,教員自身も津波防災に関する十分な知識を有しているわけではない。
津波防災教育のための時間の覚悟が難しい。
津波防災教育のためのテキストや資料がない。
防災教育として,何を教えていいのかわからない。
といった多くの課題があります。
この手引き書は、上記のような現状を考慮して、学校教育のなかで効率的に津波防災教育をおこなうことを念頭において作成したものです。そのため、他のテキストとは異なり、以下のような特徴があります。
1)津波防災教育の実施方法ごとに指導内容の例を取りまとめました
各学年の教科から、“地震・津波・防災”に関連する単元をピックアップし、その授業の中で追加的に教えることが可能と思われる内容を取りまとめた。
児童・生徒の理解力に応じた、1時間で津波防災教育を実施する場合のカリキュラム案を取りまとめた。
総合で複数時間の授業をおこなう場合の成果物の作成例を取りまとめた。
2)児童・生徒に教育するための資料を取りまとめました
児童・生徒に教えるために教員が知っている必要がある知識を項目ごとに取りまとめた。
授業で使う資料を項目ごとに取りまとめた。
釜石市では、小中学校での津波防災教育を継続していくことにより、『釜石に住むことは津波に備えるのは当たり前』という文化を形成するとともに、『津波はたまに来るけど、釜石はこれほどまでに魅力的な郷土である』という郷土愛を育んでいきたいと考えています。